粘膜疾患の漢方薬を用いた治療法について|鈴木歯科医院|守山区の歯医者・歯科

粘膜疾患の漢方薬を用いた治療法について
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溝状舌(こうじょうぜつ)

舌の表面に深い溝や亀裂ができる状態で、多くの場合、無症状ですが、時に痛みや染みる感じを伴うことがあります。
漢方医学では、体質や他の症状と合わせて、全体的なバランスを整えることで、溝状舌の改善を目指します。
漢方では溝状舌は以下のような体質、病態と関連付けて考えられます。


陰虚(いんきょ)のタイプの体質

状態:舌に潤いがなくなり、亀裂が生じる。
症状:口の渇き、ほてり、不眠、便秘など用いられる
漢方薬:六味地黄丸


脾虚(ひきょ)湿熱(しつねつ)タイプの体質

症状:消化機能が弱く、湿や熱が体内にこもって、舌に影響を与える。よく見られる症状としては、食欲不振、口内の粘つき、下痢、軟便など
用いられる漢方薬:半夏瀉心湯、茯苓飲など


気血両虚

状態:体力、血の不足により、舌の組織が衰え、ひび割れのような溝が生じる。
症状:疲れやすさ、めまい、動機
用いられる漢方:十全大補湯
生活指導と注意点:水分をしっかり取る。ストレス、不眠を避ける。刺激物は避ける。

アフタ性口内炎

口内炎の中でも最も多く見られるもので、口腔粘膜にできる円形の白っぽい潰瘍が特徴です。境界線がはっきりしており、直径は3センチ未満です。
唇や頬の内側、舌の側面にもできやすく、痛みを伴います。
原因としては、ストレスや不眠、栄養不足、ビタミンBの不足、体の抵抗力の低下などで、発症しやすくなります。
1週間単位で自然治癒しますが、ひどくなると2~3週間続くこともあります。

用いられる漢方薬:黄連解毒湯

その他のアフタ口内炎への治療法

  • ステロイド剤の塗り薬:炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。
  • うがい薬:炎症を抑え、口内環境を清潔に保つ効果があります。
  • ビタミン剤:ビタミンB群や鉄分の不足がアフタ性口内炎を起こすことがありますので、
    ビタミン剤の摂取で栄養のバランスを整えます。
  • 漢方薬のうがい薬:口内炎には半夏瀉心湯によるうがい薬が効果的です。
    半夏瀉心湯は水に溶かしてうがいをすることで、口内炎の痛みや炎症を和らげる効果が期待できます。
    特に抗がん剤に伴う口内炎にも効果があると注目されています。

◎半夏瀉心湯のうがい方法

(1)準備:半夏瀉心湯を50ミリのぬるま湯に溶かします
(2)うがい:口に含みよくうがいをする。
(3)吐き出す
(4)頻度:1日2~3回行うと良い。

再発性アフタ性口内炎

再発性アフタ性口内炎は、口内に繰り返し、小さな潰瘍ができる疾患で、ストレスや免疫異常、栄養不足などが関係しています。

症状:口腔内の炎症が強く、下や口内が赤く腫れて熱感がある場合
用いられる漢方薬:黄連解毒湯
効能:体内の炎症を冷まし、炎症を鎮める

症状:体力が低下しやすく、口内炎を繰り返す虚弱体質
用いられる漢方薬:補中益気湯
効能:体力と免疫力を高め、再発を予防

症状:胃腸の不調で口内炎ができやすいタイプ
用いられる漢方薬:半夏瀉心湯
効能:胃腸の機能を整えて粘膜を保護する

症状:病後や慢性的な虚弱による口内炎
用いられる漢方薬:十全大補湯
効能:血と気を補い、体全体の回復を促す